#セトコーヒー

出張カフェのスケジュールや、コーヒーにまつわること書いてます。

ぶき(ドリッパー)をえらべ !!!! Ko/H篇

コーヒーの淹れ方には

いろんな方法がありますが、

最も一般的なのは

ペーパードリップではないでしょうか。

 

すり鉢状のドリッパーと呼ばれる器具に

対応したペーパーフィルターをはめこみ

そこに珈琲豆を粉砕した粉をいれ、

お湯を注ぐと、

ペーパーでろ過されたコーヒーの成分が

ドリッパーの下の器に滴下する。

 

というのがペーパードリップです。

(他の方法として、

 サイフォン式、プレス式が

 日本では一般的ですね)

 

で、このペーパードリップ、

様々な形状のドリッパーがあります。

ペーパーと粉をセットする部分ですね。

 

ペーパードリップを行う喫茶店で

良く見かけるのは

台形のペーパーに対応した

メリタひとつ穴ドリッパー、

カリタ3つ穴ドリッパーでしょうか。

 

まず言いたいのは、

メリタとカリタ、それぞれの違いは、

穴の数だけではないということ。

ドリッパーの内側のリブ(ひだ)の

形状や高さ、配置にも

各社のコンセプトがあらわれていて、

よくよく見ると面白いので、

終末の夜など映画でも観ようかなー

と考えているひとは、

TSUTAYAに行く足を

ちょっとだけ近くのコーヒー専門店の

コーヒー器具コーナーに

向けてみて欲しいです。

ドリッパーを買ってきて、

ためつすがめつしてください。

2時間くらいあっちゅうまです。

モーガン・フリーマンくらい

間がもちます。

 

で、

同じペーパードリップという

方法でも、

ドリッパーの形状によって

出来上がるコーヒーの性質が

大きく違ってきます。

 

もちろんコーヒーの味を決める

一番大きな要因は

素材である珈琲豆なのですが、

ドリップという作業は

実際にくちに入れるコーヒーを

抽出する最終工程になるわけですから、

ここで素晴らしい素材を

ぶちころしてしまうことも

のびのびいきいきさせてしまうこともできる、

かなり大切な工程なわけです。

 

ドリップという作業。

つまり粉にお湯を注ぐ作業。

なので、

ドリッパーというのはつまり、

このお湯の流れを制御する装置であるわけです。

ドリッパー内の珈琲豆の挽き粉の

ひとつぶひとつぶに対する

成分の抽出の進行具合を

制御する装置であるわけです。

 

あなたがこれから

ペーパードリップの道を

歩み始めるつもりであるならば、

このドリッパーという道具が

これからあなたと共に歩む相棒になります。

あなたと共に闘う武器になります。

 

さて、

これからあなたは

大きく性質の異なる4種類から

選ばなければなりません。

(だんだんうっとうしい書き方に

 なってきていますが

 ぼくは楽しいです^^v)

 

4種類というのはつまり、

汎用バランス型の

「メリタ式」、

ハイレスポンス・感覚重視の

「カリタ式」、

素材のスペックをぎりぎりまで引き出す

高出力型の

「コーノ式」、

高い出力と高い反応速度を併せ持つ

トリッキー型の

「ハリオ式」、

の4種類です。

 

今回はこの4種類から

コーノ式とハリオ式を紹介します。

ぼくなりに。

 

◆コーノ式名門ドリッパー

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特徴は深い円錐形状と

下方にのみ配されたリブです。

 このドリッパーを用いて

抽出を行うと、

コクの強いコーヒーが淹れられます。

それは、お湯が粉の中をゆっくり

通過するからです。

なぜお湯の流れが

ゆっくりになるのかというと、

リブの無いドリッパー上部では

水分を吸ったペーパーが

ドリッパー内面にぴったりと張り付くためです。

そのため注がれたお湯は円錐の頂点へと

集中していき、

たっぷりとコーヒーの成分を含んで

サーバーに滴下していくことになります。

ところで、ドリップは、

ゆっくり行えれば一番良い、

というわけではありません。

あまり時間をかけ過ぎると、

強い酸味や舌触りのわるい苦味というような

「雑味」まで抽出してしまいます。

ゆっくりと時間をかけつつ、

しかし適度に早く。

そのためにドリッパー下方のリブがあります。

面積がひろく抽出むらの出やすい上部では

お湯の流れの速度を抑えて

じっくりまんべんなく抽出を行い、

面積が狭くお湯が集中するため

抽出しすぎになりやすい下方では

リブでペーパーとドリッパーの間に

隙間(お湯の逃げ道)を作り、

流れの速度をはやめる。

みたいな感じの効果を

このリブは持ちます。たぶん。

 

トータルして、

粉全体に対してまんべんなくじっくりと

抽出が行えるため、

豊かな旨味と深いコクをもった

コーヒーが淹れられる。

ということになります。

なると思います。

 

◆ハリオV60ドリッパー

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これで淹れたコーヒーは

くちに入れた瞬間ひろがる豊かな風味が

際立ちます。

こちらもコーノ式と同じく円錐です。

深い円錐形状による効果も

同じなのですが、

コーノ式と性質を異にしている要因は

うずを巻くように下方から上方まで

配されたリブの存在です。

これによってペーパーは

ドリッパーと密着せず、

部分的に浮いた状態になるため、

注がれたお湯は

下からだけでなく横からも抜けていきます。

つまり、真下だけでなく放射状に

抽出が進むというわけです。

コーノ式の考え方からすると、

円錐形状による粉の層の深さを

生かしきっていないということに

なりますが、

下だけでなく全方位に対して

抽出が進むということもまた

まんべんなく抽出するための

お湯の流れだと考えることができます。

滴下するエキス1滴あたりの

濃さはコーノ式よりも薄くなっていると

思いますが、

結果できあがるコーヒーの、

味には違いが生まれますが

濃度にはそれほど違いが出てきません。

それは、

コーヒー豆に含まれる旨味成分の量が同じ場合、

コーノとハリオでは

時間ごとの抽出する成分の量に

差があるからでしょう。

 

それぞれのドリッパーを用いて、

同じ3分間で抽出を行った場合、

コーノ式の場合は

滴下するエキスの濃度はおそらく

こういうふうになっている。

 

1分 >>> 2分 >>> 3分

濃い >>> 中濃 >>> 薄い

 

ハリオ式の場合は、

 

1分 >>> 2分 >>> 3分

中濃 >>> 中濃 >>> 中濃

 

という感じになっている。

つまり、一滴一滴の濃さが違っても、

最終的に出来上がるカップの濃度は

ほとんど変わらないということ。

ということだと思います。

 

と、これはあえて、

コーノ式と同じような味を求めた場合です。

どうお湯を注いでも粉の層の上から下まで

抽出が行われるコーノ式と違い、

ハリオ式の場合は

横から抜けるという性質を利用して

抽出速度を自在に変えることができます。

お湯の水位を高くすれば

ドリッパーの側面に触れる面積が増え

その分横から抜けていくスピードが

上がるので、

コーヒーをあっさり仕上げることができます。

逆に常に低い水位を保てば、

コーノ式同様の深いコクを持つ

コーヒーを淹れることができます。

 

ぼくはハリオ式を愛用しているのですが、

お湯の注ぎ方でかなり味が違ってしまうところが

おもしろくて気にいっています。

 

   * * * *

 

いかがだったでしょうか。

長すぎましたか。

ここに書いたことはあくまで

ぼくの私見です。

道具はなんかかっちょいいからとか

かわいい、おしゃれ! とかいう

理由で選ぶのが一番だと思います。

 

ここまで読んで頂いてありがとうございます!

 

ドリッパーについては、

また書きます。