#セトコーヒー

出張カフェのスケジュールや、コーヒーにまつわること書いてます。

珈琲の日の次の日は

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珈琲を淹れていると、

珈琲ってなんやねんと思います。

不思議なものだよな!

 

こんなにも多様なのみものがあるだろうか。

(お茶などもかなりの猛者だけれど)

原産国の数、農園の数、生産者の数、

ロースターの数、ブレンダーの数、

それから淹れるひとの数。

それら全てをかけた数の珈琲がある。

 

詳細には、もっとたくさんの要素が。

おなじように多様なのみものは

ありそうでもあり、

しかし、加工するひとと淹れるひとが、

個人であったりするので、

やはり珈琲は、もう収集がつかない。

 

どんな味になるかは最後、

液体になるまでわからない。

 

えーと、今日10月1日は《珈琲の日》だそうで、

詳細ははしょるけれども、

われらの日常のそこかしこに在る

コーヒーというかわいいやつのことを

ちょっとちゃんと見てみよう。

まあ普段どおりコーヒーを飲めば良いと思うけれど。

 

自宅の近所、大阪・守口市をぶらぶらしていたら、

小さな珈琲豆屋さんが。

年季の入ったたたずまいは、

いかにも町の珈琲屋というかんじ。

たぶん見かけたことはこれまであるけど、

このタイミングで入ろうと思ったのは、

いまの自分だからなのか。

 

几帳面に刈った短髪に職人らしい眼鏡、

はにかんだような笑顔がすてきなおじさまが

迎えてくれた。

ちいさな店内にところ狭しと並んだ、

珈琲豆ケースと、器具たち。

ぼくが豆ケースをにらんでいると、

「どんなんが好きや?」

と、店主。

「マンデリンとか好きですね」

と、ぼく。

「ワシもマンデリン好きやねん。

 マンデリン好きはかなりの珈琲好きやな」

「個性的ですもんね」

「なかなかクセ強いし、マンデリン言うても

 ピンキリやけどな」

「以前はブレンドに使われる程度だったと

 きいたことがあります」

「いいマンデリンはそのままでもおいしいで」

「ええ。あ、ローストが3段階あるんですね」

「どれも違った表情みせてくれるねん。

 かじってみるか」

「えっ、はい」

「…………よっと。これがフレンチや」

「がりごり……ああ、苦みと、あとから甘みもしてきますね。

 おいしいです」

「へっへっへ。うまいやろ。今度はイタリアンや……ほれ」

「かなり深い煎りですね。照りがたまりませんな……がりごり」

「そうとう苦みつよいやろ」

「うん……でも、これ、たまらんやつですね。

 おいしい苦みですね」

「へっへっへ。ミディアムもいってみるか……ほれ」

「これはだいぶん浅煎りですね……がりごり」

「これはこれでいけるやろ」

「おお……めっちゃ甘酸っぱいですね。ぜんぜん違う。

 おもしろいですね」

「へっへっへ。これはな、それぞれブレンドしてみても

 おもしろいで。

 どれも同じマンデリンやから、いい感じになるで」

「あー、そうですね。いろいろ楽しめそう」

「うちで扱うとるブレンドなんかも、

 同じ豆の煎り具合かえたの混ぜとったりしとるんや。

 だから、アンタがあとで自分でブレンドしたりしても

 おいしいで。

 好みの味みつけたらええねん」

「いいですねー」

「まあ、あんまり凝りだしたらワシみたいになってまうけどな」

「いいじゃないですか。望むところです」

「へっへっへ。ところでアンタ苦いのが好きか?

 それやったら淹れるときのお湯の温度はな……」

 

と、はじめた入ったお店だけれど

コーヒーの話は尽きず、

店主さんは終始たのしそうであった。

ぼくもたのしかった。

豆を数種類かって、店を出ました。

 

自分よりずいぶん年上の店主さんが、

自分がいま珈琲に夢中になったいるように

熱くたのしく喋る話をきいていて、

嬉しくなった。

商売としてやっていて、

珈琲のことがずっと好き。

それはきっと、

なかなかすごいことなのだ。

 

そんなお店と店主さんが、

町のかたすみに。

同じようにいつまでも熱くたのしく

珈琲を語るひとやお店は、

たくさんあるのだろう。

腕と経験だけでなく、

しかもそれのことが好きである。

こんなに強力なことはない。

 

そこでセトコーヒーはどういう存在になれるだろう。

とかそういうことはべつに考えないで

まあぼくも楽しくやってこうと思います。

 

というわけで、

守口で出会ったおっちゃんの珈琲豆を、

明日10月2日のセトコーヒーで使用します。

《珈琲の日》にたくさん珈琲の話をしたお店の

珈琲豆をつかうという、

記念日にちなむにはやや弱い理由づけではありますが、

たかまった珈琲への気持ちを存分に乗せて放つには、

まさにその店の豆を使うしかありえない。

 

セトコーヒー&ぽっけ

@大阪・中崎町「cafeプロペラ」さん。

毎週水曜日、12~20時オープン!

まずは明日2日。

 

よろしく!


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